top of page

失多失多い (2017)制作後記

執筆者の写真: チーチー☆ビアンカチーチー☆ビアンカ


 知人の紹介でCM制作の会社に入ったが、そこでも私はうつを再発し仕事辞めるくらいなら死んだほうがマシ病に陥ってしまう。パワハラ、長時間労働、家に帰れずに漫画喫茶などを転々とする日々、、まるで呪いのシナリオでもあるかのように前と同じだった。

 このビデオのリップシーンを撮った日は大学の同級生と映画この世界の片隅にを見に行き、その後喫茶店で話を聞いてもらいながら号泣してしまった。友人は私に死ぬか辞めるかどちらかを選ぶしかないと言い、その言葉のおかげで私はまた前に踏み出すことができた。

 私は一度目のうつから立ち直った気になっていたがそんなことはなく、容易く負のパワーを放つ人間たちに心を支配されてしまった。そんな自分が情けなく、一度目の経験の辛さが何の役にも立っていないことにガッカリした。だから、またうつになってしまったのだが、二度もそんなことになってしまったからには、いよいよこれが自分の宿命だと、うつの苦しみを知る者としての使命を果たしていかなければならないのだと、考えるようになった。

 私には自分の経験を歌うことができる。それはとるに足らないことで誰に聞いてもらえるものかも分からないのだが、私は歌うことでもう少し生きようと決心できるし、生きる必要がなくなったら私が歌う必要なんてもうないだろう。









Kommentarer


© 2023 by Rafael Nash. Proudly created with Wix.com

bottom of page